●自分ができる、できないの感覚 何かが自分ができるとか、できないという感覚は、 「自己効力感」というそうです。 人が実行するかしないかは、自己効力感をどのくらい 感じているかによる、と提唱したのがアルバート・バンデューラ というカナダの心理学者です。 バンデューラが行った実験は、子どもを2つのグループに わけ、一つのグループには大人が風船の人形を叩いたり、 蹴ったりしているところを見せる。もう一つのグループには 風船人形で大人が遊んでいるところを見せるという 実験をしました。 すると、前者の子どもは後者の子どもよりも攻撃的になった と言います。 この実験で子どもは何かに促されなくても、自分で模倣をして、 行動することがわかりました。 ●2つの予想 攻撃的になった子どもは、次の2つの予想をしていたと バンデューラは言います。 一つは、大人ではなく自分が叩いて成功しそうか という結果予期。これは知識や経験からつくられます。 もう一つは、自分が叩くという行動を実際に行動に移せ そうか、という効力予期です。 この2つが自己効力感をつくっているということなのですが、 これらは全て主観によって生み出されるというところに 問題があります。 そして、その主観は実験の結果通りに親の行動 などの模倣から生まれます。 ドメスティックバイオレンスとかモラルハラスメントなどは、 自己効力感が悪い方向に影響しているんじゃないかなと思います。 間違ったかたちで他人をコントロールしようとするための 自己効力感は家庭でつくられているような気がします。 もちろん、自己効力感は主観なので書き換えることができます。 そのためには、すでに成功している人を模倣したり、その人の 話を聞いたりして、自分の見方を変えていく必要があります。 親だけではなくて、自分の人生を自分でコントロールするためには、 成功しているコーチやメンターの存在がとても重要だということが わかります。 |