●昔の西洋手相がわかる いろんなものの起源を調べるのが好きで、昔の西洋手相はどんなことに注目して、 鑑定していたのか、ということを自然と調べてます。 そこで、興味深い本を発見しました。 妖術師・秘術師・錬金術師の博物館 〈新装版〉 Amazon グリヨ・ド・ジヴリという19世紀の敬虔な修道士さんが 書いた本です。この方は同時にオカルティストで、 オカルト研究家でもありました。語学も堪能な人なので オカルト書籍の訳書がいっぱいある人です。 この本は、占い、占術の方法も含めたオカルトの世界が どうなっているのか? ということを書いた本なのですが、この本が出版された 1929年に、著者が突然死するという曰く付きの 本だったりします。 さて、手相占い師は、著者によれば秘術師というカテゴリー に分けられています。秘術師という人たちは、オカルト 技術を悪のために使うのではなく、世の中のため に活用する人たちなのですが、社会の枠から外れている人たち だとされています。そこで、秘術師が活躍した業績を紹介するために、 この本には昔の手相の鑑定の方法が色々と書かれています。 ●敬虔な修道士が手相の本を書く その中で、 ヨハネ・インダギネという有名なベネティクト派修道院長が 1549年に出版した『手相術』を取り上げています。 この本は、アウトローの世界では、こういう文化も ありますよ、という図鑑的な意図で書かれた本です。 占い師が占い師のために書いた本ではないので意味が曖昧です。 B 血管、心臓線(生命線か?) C 女性の影響線 (左手は女性的「陰」) D パーカッション(手のヘリ) E 生まれつきある真ん中の線(頭脳線か?) F 肝臓線または、胃の線(健康線か?) A 幸運の線 (感情線か?) B パーカッション(手のヘリ) C 男性の影響線(右手は男性的になる「陽」) D 肝臓線、胃の線(健康線か?) E 四角形の印 G 親指のエリア H 心臓線、血管線(生命線か?) I 三角形の印 K 生まれつきにある真ん中の線(頭脳線か?) 右手の手相を見ると、手のひらと惑星の関わりが記されています。 面白いのは、修道士が手相を後世に伝える担い手に なっている、ということです。 占い師に聞いた話や伝聞など世に散らばっている情報を集約して、 わからないなりに、体系化することで、手相占いの文化が少しずつ 蓄積されていったんだなということがわかります。 実は、人相もヨハン・カスパー・ラヴァターという ドイツの改革派の牧師さんが観相学という顔や体型から、 性格を判断する本を出版しています。 ラヴァターの観相学を当時の知識人であった小説家で詩人の ゲーテなどが支持して、流行らせたということもあります。 占いを否定するキリスト教の関係者から占いの研究 が進むというのも面白いなと思いました。 |